「心筋梗塞」
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心筋梗塞とは
 動脈硬化により冠動脈が血流不足を起こし、心筋が虚血性壊死を起こした状態を指します。

病因および頻度

 心筋梗塞の90%以上が、粥状斑により狭窄した冠動脈に急性に血栓を形成し、閉塞する事により生じます。心筋梗塞はまた、弁狭窄あるいは心内膜炎からの栓子による冠動脈塞栓や、コカイン摂取による冠動脈れん縮によっても生じます。米国では1年間に100万人以上が発症し、うち1/4が死亡しています。死亡者の半数以上は、発症後1時間以内に死亡しています。(日本では急性心筋梗塞で年間5万人が死亡しています。)

病態生理

 冠動脈の閉塞により細胞の持続的な虚血をきたし、心筋組織の代謝を障害する事により、急激で恒久的な細胞障害と壊死を招きます。壊死の程度は梗塞の大きさ、閉塞した血管、閉塞の持続時間によって決定されます。障害ははじめに左心室に生じますが、しばしば他の心室・心房に広がります。梗塞は、損傷された心筋の厚さにより分類する事ができます。貫壁性梗塞(Q波梗塞)は心膜直下から内膜までの心筋の全層がおかされ、心電図上異常Q波が出現します。非貫壁性梗塞(非Q波梗塞)は心室全層はおかされず心電図上はST波またはT波の異常をきたします。

臨床症状

 大多数の症例で、発作の数週〜数日前から倦怠感・息切れ・増悪する狭心痛などの前駆症状があります。発作の初期症状は、通常胸骨したの深い内臓痛で、焼けつくような・かきむしられるような・押しつぶされるような疼痛、あるいは胸部の重圧感などと表現されます。
 疼痛は、背部・頸部・顎部・歯牙・左腕・などに放散することがあり、安静・ニトログリセリン・制酸薬によっては軽減しません。他の徴候として、不安・不穏・吐き気・冷たく湿った皮膚・微熱・呼吸困難がみられます。

合併症

 合併症としては、不整脈・心原性ショック・心不全・肺水腫・脳塞栓・肺塞栓・心筋断裂・心膜炎・心筋梗塞後症候群・突然死などがある。