『腸年齢上昇中?!』
頻繁に繰り返す便秘や肌荒れは、体に悪さをする悪玉菌が腸内で優勢になった危険信号。
実際の年齢よりも「腸年齢」が上回って免疫力が落ち、がんのリスクまで高まります。善玉菌が豊富なヨーグルトなどを食べ、腸の若返りに励むことが大切になっています。
「老化が思ったより進んでいるのかも」。カルピス基盤技術研究所の渡部怐子マネージャーは心配するとのこと。
女性の便を調べた結果、三十歳以下の健康な人の三割近くでビフィズス菌が激減していました。この菌の量は腸の若さの目安となります。ほとんど検出できない熟年の人もいました。
大腸を中心に百種類、百兆個以上の細菌がいます。ビフィズス菌は健康維持に働く善玉菌の代表で、悪玉菌の大腸菌や腐敗菌群などとバランスをとりながら共存しています。
このバランスが年とともに変わる様子をとらえたのが腸年齢。乳児の腸は善玉菌でいっぱいですが、次第に善玉でも悪玉でもない中立の菌が増え、成人では善玉菌が一五%前後で安定します。
老年期になると善玉菌が1ケタまで減り、悪玉菌が増えます。
ビフィズス菌が減った女性たちは腸が老年期に差し掛かっている恐れがあるわけです。そうなると自分の腸年齢が気になります。
善玉菌、悪玉菌の名付け親で腸内細菌の専門家、光岡知足・東京大学名誉教授は「簡単なのは便の色を見ること」と言われています。
善玉菌が多ければ黄色っぽく、悪玉菌が多いと黒みがかっているとのこと。
食べ物の好き嫌いや、飲酒、喫煙など生活習慣からも腸年齢をおおまかに判定できるとのことです。
渡部マネージャーは「腸を老化させる一番の原因は偏った食生活」と指摘しています。
脂肪分が多い肉料理は悪玉菌の格好のエサとなり、野菜を食べなければ便が腸内に長くとどまり、悪玉菌による腐敗が進みます。
ストレスも原因の一つ。自律神経の変調で胃酸分泌が抑えられ、悪玉菌をうまく撃退できなくなります。悪玉菌が勢いづくと、肉などのたんぱく質を分解して硫化水素やアンモニアを作り、下痢や便秘、肌荒れを起こします。
便秘でさらに便の腐敗が進めば、発がん性物質まで作るようになります。腸の病気に詳しい名倉宏・東北大学名誉教授は「日本人で大腸がんが急増する一因は悪玉菌の増勢にある」と説明されています。
腸管免疫が専門の上野川修一・日本大学教授は「腸の免疫力が落ちて食中毒にかかりやすくなる危険もある」と警告されています。
腸年齢を若返らせるにはどうすればよいのでしょうか。食生活の見直しや運動が必要です。中でもヨーグルトや乳酸菌飲料などで善玉菌を腸に補給するとよいでしょう。
腸に届く前に胃酸などの作用で死んだ菌も腸内の善玉菌を増やす肥やしや悪玉菌の毒を中和する働きがあります。食品各社が商品化している「プロパイオテイクス乳酸菌」を使ったヨーグルトは生きた菌が腸に届きやすく腸内バランスの改善効果が高いのです。
ある程度まとまった量を食べること。光岡名誉教授は毎朝きなこをかけたヨーグルトを300グラム食べ、70代で善玉菌約30%という若々しい腸を保っていらっしゃいます。きなこは善玉菌の栄養素となるオリゴ糖が豊富です。大豆のほかゴボウやタマネギなどにも多く含まれます。市販のオリゴ糖を利用するのもよいでしょう。
光岡名誉教授は長寿の里として知られる山梨県上野原町棡原(ゆずりはら〕地区の食生括も参考になるといわれています。
同地区で伝わる食事は雑穀のほか、山芋、コンニャクなど食物繊維の豊富な食材を使い肉は控えめ。
食物繊維が便のかさを増やし便通をよくして腐敗菌の繁殖を防ぎます。住民の腸年齢は実年齢の平均82歳を大幅に下回る40代後半だったといいます。
先達の食生活に学び、悪玉菌につけいるスキを与えないよ一つ心がけたいですね。
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