「糖尿病」
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糖尿病とは
 1997年秋に行われた厚生省の実態調査によれば、「日本の糖尿病患者数の推計は690万人」という結果が出されました。これは、成人の10人に1人が糖尿病であることを示しています。さらに、糖尿病と健康との境界線に当たる「可能性を否定できない」予備軍を含めると1,370万人に達しました。また、この推計糖尿病患者数を、1990年に行われた厚生省糖尿病疫学調査研究班の結果と比較すると、糖尿病患者数は、この7年間で130万人も増加したことになります。さらに、2003年の調査結果では糖尿病の患者数は国内で約740万人に上り、これに「予備軍」も含めると、約1,620万人と推定されることが厚生労働省の実態調査で分かりました。このように日本人の生活様式の欧米化や人口の高齢化とともに、糖尿病患者は著しい増加の一途をたどっています。
 一方、糖尿病で通院している人は、全体のうち45%たらずとあまりに少なく(厚生省実態調査1997年)、その半分以上は治療を受けていないのが実状です。
 このように受診率があまりに低い理由は、定期検診で血糖値が高く糖尿病を強く疑われる状態であっても、自覚症状がほとんどないため、治療を先送りすることがどうしても多くなるからです。しかしたとえ症状が出なくても、糖尿病は徐々に、そして確実に進行し、恐ろしい合併症をひきおこします。
 実は糖尿病の本当の怖さは、むしろこの合併症にあるのです。
今後、より多くの人が糖尿病について理解を深め、受診率を上げ、早期発見・治療を行う必要があります。


なぜ糖尿病になるのか

 糖尿病の原因と考えられている要因には、以下のようなものがあります。
* 遺伝…家族や親戚の中で、糖尿病患者がいる場合
* 加齢…高齢になるとともに、老化によりすい臓のベータ細胞(インスリンを作る)の機能も低下
* 暴飲暴食…食べすぎ飲みすぎは、すい臓の働きを低下
* 肥満…肥満による体脂肪分布(脂肪のつき方)が問題
* 妊娠…妊娠中様々なホルモンが一時的に多く作られ、糖尿病になる場合がある
* 運動不足
* ストレス
 遺伝や加齢、妊娠はどうしようもないものですが、肥満、暴飲暴食、運動不足、ストレスは、日々の努力で十分に防げるものです。多くの生活習慣病に通じることですが、適度な運動、規則正しいバランスのよい食事で肥満を防ぎ、ストレスを溜めないことが最も大切です。 


糖尿病の分類

 糖尿病は一般的に、1型糖尿病と2型糖尿病に分けら、日本人の場合、そのほとんどが2型糖尿病といわれています。 また、妊娠糖尿病や他の疾患から高血糖症になる場合もあります。
◆1型糖尿病
1型(インスリン依存型)糖尿病は、主に幼児から15才以下の小児期に、急激に発症することが多く、かつては「若年型糖尿病」とも呼ばれていました。
 このタイプの糖尿病の治療には、食事療法・運動療法のほか、インスリンの注射が不可欠です。すい臓β細胞が、なんらかの原因で破壊された結果、インスリンを分泌できなくなり、発症します。
◆2型糖尿病
2型(インスリン非依存型)糖尿病は、インスリンの分泌量が低下しているか、インスリンの血糖を下げる作用が弱くなって発症するもので、遺伝素因のほかに、エネルギーの過剰摂取や栄養の偏った食生活、運動不足、ストレスが大きくかかわっています。
 その治療にはかならずしもインスリンを必要とせず、日本人の糖尿病患者の約9割を占めています。このタイプはもともと40才以降に発症することが多かったのですが、肥満児の増加と共に10代から発症するケースも増えています。
 糖尿病による高血糖の状態を放置しておくと、恐ろしい合併症が発症します。失明する場合もあれば、死期を早めることもあります。合併症が出るということは、すでに症状がかなり進行してしまっているということです。
 合併症で代表的なものは、神経障害、網膜症、腎症で、3大合併症といわれています。それ以外にも、脳梗塞・狭心症・心筋梗塞・糖尿病性壊疽・感染症など重篤な症状に関連性が指摘されています。


恐ろしい合併症とは

○神経障害
3大合併症の中でも、発症の頻度が一番高いと言われているのが、この神経障害です。神経障害は、末梢神経障害と自律神経障害に大別できます。
○網膜症
網膜症と白内障は、糖尿病による代表的な目の病気です。糖尿病網膜症は、失明原因の第1位になっています。眼底にある網膜の毛細管が冒されて発症します。
腎 症
人工透析が必要になる人の30%は糖尿病が原因です。血糖値が高い状態が続くと 腎臓の血管が冒され、血管からタンパクが漏れ出て、老廃物を濾過する機能が衰えてきます。やがて むくみが発生し、さらに進行すると、腎不全・尿毒症になってしまいます。
○脳梗塞・心筋梗塞
糖尿病の合併症で恐ろしいのは、直接命に関わる脳梗塞や心筋梗塞です。脳梗塞の人の約半数の人に糖尿病がありますし、心筋梗塞の人の三分の一に糖尿病があります。脳梗塞や心筋梗塞は、脳や心臓に栄養を送っている動脈が動脈硬化を起こして、塞がってしまう結果起こるものです。糖尿病になると動脈硬化が進行しやすくなりますし、動脈硬化を起こすと、血管の内側が凸凹になって血栓(血管の中で血液が固まったもの)ができやすくなります。そしてついには血流が止まって梗塞の状態になります。
 心筋梗塞は非常に危険な病気ですし、脳梗塞は半身麻痺になって手足や話すことが不自由になる病気で、両者は最悪の場合は突然死を引き起こします。糖尿病と診断されたら、日頃から脳梗塞、心筋梗塞にならないように注意する必要があります。